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アーカイブ: 2009/11
第73回全国学校歯科保健研究大会
- 2009/11/16 月
- 会員のページ > 活動報告
平成21年10月29日(木)30日(金)両日、京都にて第73回全国学校歯科保健研究大会が開催されました。
北海道では初雪の便りが聞こえそうでしたが、京都では連日、25度という初夏を思わせる暖かさで、思いがけず汗だくで参加してきました。 大会のメインテーマは「歯・口の健康つくりの総合的展開を目指して」~「はぐくむ」を考える・・子どもたちへの支援的教育活動の確立に向かって~です。一日目は開会式・表彰式・記念講演・シンポジウム・懇親会の順に行われました。 記念講演は、「はぐくむ」を考える-心理学からのアプローチとして、京都大学大学院教育学研究科教授 副研究科長・子安増生氏を講師として行われました。心理学の見地から、1997年「酒鬼薔薇聖斗」事件(少年A事件)、この事件を題材にして、心の理解の発達のあり方について解説されました。子どもたちの成長過程において、「心の理解」の欠如は、いわば常時「空気が読めない」状態であり、日常生活の上で大きな支障になり、一方、「心の理論」を獲得すれば、みんなが聖人君子になれるわけではなく、「うそ」や「秘密」といった子どもの発達過程で現れる問題になりえ、いつどのように子どもを自立・独立させるか?段階的な対応が必要であると説明されました。 続いて行われた、シンポジウムは、今大会のテーマを掲げ、 座長は、東京医科歯科大学名誉教授 黒田敬之先生、 シンポジストとして、以下の内容についてそれぞれ20分程度講演され、座長を中心に活発なシンポジウムが行われました。
・「生きる力」をはぐくむ歯・口の健康つくりをめざして
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課 教科調査官 森 良一
(1)改正教育基本法を踏まえた学習指導要領の改訂について
(2)全日本学校歯科保健優良校表彰
(3)歯・口の健康つくりの総合的展開について
・市民の歯・口の健康と食育について
京都市長 門川 大作
(1)「歯ッピー・スマイル京都」の策定
(2)「本市の食育」の推進について
・食育の立場から「歯・口の健康つくり」を考える
京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授 大谷 貴美子
(1)児期から始まる食の準備
(2)0~3歳は口に集中する経験の集合体である
(3)口ほど繊細で働き者の器官はない
(4)口の機能の発達と食事
(5)咀嚼の意義
(6)咀嚼と脳の発達
(7)咀嚼力と運動
(8)咀嚼力と寿命
(9)咀嚼力を育むために
・「生きる力」と健康支援から「はぐくむ」を考える
昭和大学歯学部口腔衛生学 教授 向井 美恵
(1)社会的背景
(2)学校歯科保健における取り組み
(3)学校歯科保健と食育
(4)学校歯科保健で目指すもの
(5)歯科医学的視点から
二日目には、実践発表と領域別協議が行われました。 実践発表では、京都市立小栗栖宮山小学校から、教諭・養護教諭・学校歯科医それぞれから発表がありました。 領域別協議でも、小学校部会に参加してきましたが、各地での保健活動の実際を教えられ、全国に熱心な先生が多く大変参考になる大会でした。
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第58回北海道学校保健研究大会胆振(登別)大会
- 2009/11/16 月
- 会員のページ > 活動報告
秋も盛りの10月18日、美しい紅葉に包まれた登別市で、第58回北海道学校保健研究大会が開催されました。大会のスローガンは「北の大地を心豊かにたくましく生きぬく子どもの育成を求めて」でした。会場となった登別市民会館はかなり大きな建物で、その大講堂において午前9時40分から開会式、学校保健功労者表彰式、基調講演、昼食をはさんで午後からは会場を別け部会別研究協議というプログラムで進行しました。 基調講演は大分大学教育福祉学部教授住田実先生の「健康教材と〈からだと健康の小宇宙〉を旅して」というものでした。健康教育学がご専門の住田先生は著書や連載論文は勿論のこと、NHKビデオ・DVD教材などを多数企画・監修されており、子どもたちが興味を持って楽しく体と健康の意義を学べるようにと日々研究されている方です。実際の講演は我々が聞いても、話にどんどん引き込まれていく感じでとても興味深い内容でした。卑弥呼の食生活から咀嚼と健康を考える話や、ジャワ原人の咀嚼筋が現代人の2倍もあり、もし今のオリンピックに出たなら金メダルラッシュになるかも…。という話など、歯や顎といった歯科に関連するエピソードも多数盛り込まれており、1時間30分の講演でしたが、あっという間に時間が過ぎたように感じました。 午後からは事前に登録した部会に分かれての研究協議でした。第4部会までありましたが、学校歯科医の先生方はほとんどが第2部会に出席していました。分類は「保健管理・保健教育」でしたが、提言者が登別小学校、学校歯科医の堅田裕先生と養護教諭の細谷あゆみ先生で、内容も「むし歯予防におけるフッ化物洗口の効果と安全性について」というもので、学校歯科医として是非聞いておきたい話でした。みなさんご存知のように、今年6月に道議会で可決、施行された「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」に小学校におけるフッ化物洗口の実施が盛り込まれました。登別小学校は昭和53年にむし歯予防研究指定校に指定されたのを機に、30年間にわたりフッ化物洗口と給食後のブラッシング活動を実施し、DMFTを1点台前半まで低下させてきた歴史があります。堅田先生は、むし歯予防におけるフッ化物洗口の効果と安全性について提言され、これからの歯科医療はオーラルヘルスプロモーションを目指すべきだとしたうえで、フッ化物洗口は学校など集団でのむし歯予防に効果を発揮する有効かつ安全な手段の一つであると話されました。また、細谷先生からは各学年別の口腔保健管理・保健教育の実際の内容についてのお話がありました。どちらのお話も、長年の学校保健関係各位の苦労と努力、生徒や保護者の理解と協力により形作られてきたものと感じました。質疑応答や追加発言なども活発で、130名以上の第2部会出席者全員、有意義な時間を過ごすことができたと思います。皆、来年の開催予定地である釧路での再開を楽しみに閉会となりました。
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