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学校歯科医生涯研修制度札幌地区基礎研修会(平成20年度モデル事業)
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
標記研修会が9月20日.午後3時から6時まで、札幌歯科医師会館5階講堂で開催されました。
日学歯では、「学校歯科医生涯研修事業」の立ち上げに先立ち、平成20年度は札幌市を含め全国7地区において基礎研修モデル事業を行うことになりました。今回の札幌での開催が、全国ではじめてということもあり、当日の内容は、とても新鮮なものがありました。
募集人数が、50名であったが、参加人数73 名と札学歯の先生方の意欲と熱意にとても感動しました。
研修会の趣旨は「学校歯科医は、歯科医師としての専門性を活かしながら教育者としての資質を備え、積極的に歯科保健活動を推進し、児童・生徒の健康増進に貢献しなければならない。生涯にわたってその資質の維持と向上に努め、時代とともに変遷する様々な健康課題にも十分対応できる知識と能力を備えることが、学校歯科医の社会的信頼の向上にも繋がる。本研修会は、学校歯科医がその職務を行ううえで、理解していなければならない基本的な事項を習得することを目的とする。」となっています。
当日は、日本学校歯科医会より、松島悌二会長をはじめ6名の方が、オブザーバーとして視察に来られました。
研修会は稲垣副会長の司会により進められました。
挨拶
藤田会長
日学歯 松島会長
説明
日学歯丸山専務
学校歯科医生涯研修制度の成り立ちと認定学校歯科医制度について
研修内容
1、学校歯科保健の基礎概念の講義 紅林副会長
2、学校歯科保健における保健教育の講義 大川常任理事
3、学校歯科保健における保健管理の講義 北山理事
4、学校歯科保健における組織活動の講義 箱木理事
2時間半という長い講義内容でしたが、皆さん、最後までしっかりと聞いてくれました。
最後に受講者には「基礎研修修了証」が渡されました。
参加者からのアンケート
・認定学校歯科医に対する日本学校歯科医会の考え方や方向性が良く理解できた。
・今後、研修などを受講しやすいようにしていただいて、単位を無理なく取得できるようにしていただきたい。
・認定学校歯科医は必要であると思う。
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平成20年度 第1回学校歯科医会研修会
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
平成20年7月26日午後4時より、 TKP札幌ビジネスセンター会議室にて、講師として名古屋市学校歯科医会江場弘和会長、松浦和典副会長をお招きして研修会が行われました。歯科医師38名、衛生士・学校関係者11 名の出席がありました。
講演
「名古屋市学校歯科医会が目指す学校歯科保健について」
名古屋市学校歯科医会江場弘和会長
①名古屋市学校歯科保健の歴史
②学校歯科保健とは
・歯科保健教育……児童生徒に対しては当たり前で保護者・学校関係者にも必要であり、保健所・教育委員会・政治家・歯科医師会にも広げることが必要
・歯科保健管理……健康診断の精度が問題
・歯科保健組織活動……周りを取り込みながら歯科保健教育を広げること
③平成17年より名古屋市学校歯科医会が始めたこと
・歯科健康診断結果のお知らせの変更(CO・GO)
・歯科健康診断の問題点(精度・対策)提起
・フッ素に対する名学歯の考え方……学校でのフッ素洗口必要なし
・事後措置への対応……かかりつけ歯科医へ受診することを強く指導する
④名古屋市学校歯科保健の目的
・より良き歯・口の健康を保持して、口腔保健に高い関心を持つ名古屋市民の育成最後に本当に大切な事は、学校歯科医だけ頑張るのではなく、関わっているすべての者が頑張ること
パネルディスカッション
「名古屋市と札幌市の学校歯科医の現状と意見交換」
パネラー
名古屋市学校歯科医会 江場弘和会長
松浦和典副会長
札幌歯科医師会学校歯科医会
大川晋一常任理事
平山泰志理事
①大川常任理事
札学歯平成13年~平成18年学校歯科医活動報告
・秋の臨時健康診断の実施が1.8%のみ
・70%の学校歯科医は健康診断のみ
・80%の学校歯科医は総会・研究大会等の参加していない
・学校保健委員会には6%の学校歯科医しか参加していない
・学校行事には80%の学校歯科医が参加していない
②江場会長・松浦副会長
・総会へ出席させるには強引さも必要
・学校保健委員会への出席は必要不可欠
・名古屋では学校歯科医に対して活動内容により辞退勧告する場合がある
③平山理事
・定山渓小・中学校の活動報告
最後に学校歯科保健の教育的効果は保護者・地域・教職員等の協力が必要であることを確認して終了
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第59回指定都市学校保健協議会
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
標記協議会が平成20年5月18日.午前9時30分より、広島市にて開催されました。
午前中は開会式、全体協議会、記念講演が行われ、午後からは4つの分科会に分かれ、課題別協議会が行われました。
それぞれ、歯科に関連する研究発表を抜粋して記載します。
第1分科会健康教育
「子どもたらが自らの健康を保持増進することのできる健康教育の推進」
<口頭提言1>
歯科保健事業における新しい試みと、下顎第一大臼歯の重要性について
横浜市立中尾小学校学校歯科医 江口康久万
学校歯科医は、日頃から歯科保健事業に積極的に参加し、子どもたちのことを色々な角度から把握していなければならない。その中で歯科健康診断やアンケート調査、歯みがき検査の結果はそれらを知るために大変重要な役割を果たす。そして、私たちは調査結果を専門の立場から分析し、問題を読み取り、学校及び保護者にその結果並びに予防策を提示する義務がある。
歯科保健教育の一環として、子どもたちが口の健康の大切さをわかりやすく理解できる実験や歯科教材は、大変効果があるだけでなく記憶に残るものとなる。子どもたちの歯科保健に対する理解を深めるための歯科教材として、紙型模型による「いい口模型」を考案した。6年生用に12歳臼歯は萌出途中の状態で描かれており、ブラークのつきやすい所にはばい菌の絵を入れ、歯みがきで注意が必要なところがよくわかるようになっている。また、プラークチャートの代わりとしても使うことができる。
<口頭提言2>
心と体の健やかな成長
~基本的生活習慣の確立と積極的な健康つくり~
京都市立納所小学校 教諭 嶋本千人
健康管理能力向上のための取組として、学級活動での保健指導や食に関する指導、体育科の保健領域・総合的な学習の時間の健康に関する学習では養護教諭や栄養職員の専門性を生かした複数指導を実施してきた。また、生活調査による児童の生活実態把握、歯みがきタイムの設定、フッ化物洗口などを行っている。
児童が学習したことの実践や基本的生活習慣の定着は、学校の取組だけでできるものではなく、日々保護者・家庭・地域の方々の協力が大切であると考えている。そこで、学校だより・保健だより・給食だよりの各広報紙を活用して、家庭での協力をお願いしている。
学校と家庭との連携を図るために、フッ化物洗口実施に向けた合同研修会以外にも健康に関わる教職員と保護者の合同研修会を行った。また、学校保健委員会では定期健康診断の結果やヘルスカードの結果を報告し、学校とPTAをはじめ地域がそれぞれ手を取り合って子どもたちの健康を見守っていこうと協力をお願いした。
家庭や地域との連携を今まで以上に深め、望ましい基本的生活習慣の確立を目指すとともに、児童自身が健康の大切さに気付き、日々の生活に生かそうとする積極的な健康つくりを目指し、これからも取り組んでいきたい。
<紙上提言1>
千葉市における学校歯科保健活動について
千葉市立海浜打瀬小学校 学校歯科医 柴田康司
学校歯科保健領域において有効な「保健教育」を実施するためには、学校歯科医と教職員が中心とならなければならない。「保健教育」が中心となった今の時代は、学校歯科医がその学校の職員の1人として「保健教育」のためにも学校に足を向けるべきだと思う。
「歯・口の健康つくり啓発事業」は今年度で全ての行政区を一通り実施し、千葉市歯科医師会の全ての学校歯科医が参加したことになる。参加した学校歯科医の中には担当する学校において、啓発事業の資料を利用し授業を展開しているところもある。また、「歯医者さんによる喫煙防止教室」は毎年十数校の中から5校選出しているが、選に漏れた学校では直接学校歯科医に依頼し、実施しているところもある。さらなる内容の拡充を図り、継続していきたいと考えている。
第2分科会保健管理
「生涯を通じて健康で安全な生活を送ることのできる子どもたちを育成する保健管理のあり方」
<口頭提言1>
むし歯研究所シリーズ&和・歯・8020ワールド
札幌市立定山渓小学校・中学校 学校歯科医 平山泰志
※本会・平山理事の口頭提言の内容は別記で詳しく掲載いたしております。
<口頭提言2>
歯や歯肉を大切にする児童を育てる保健指導
名古屋市立八事小学校 教諭 山田浩嗣
今日的課題である食育や肥満予防を始め、心身の健康を増進し、生涯にわたる生活の質を向上するためには、咀嚼や発音などに重要な役割を果たす歯や歯肉を大切にする必要がある。そこで、永久歯の歯列が生えそろう小学生の時期から、自分の健康な生活にかかわり、生涯使い続ける歯や歯肉を大切にする児童を育てる必要があると考える。
児童の「関心・意欲・態度」を高めたり、「思考・判断」を促したりする発問や、教材提示による支援を行い、口腔内に菌が存在することや、菌を歯みがきで減らせることを実感させたことによって、歯みがきの必要性についての意識が高まり、行動に結び付いてきている。また、基本的なみがき方を基にして、自分の歯列に合わせたみがき方を考えさせたことで、工夫したみがき方ができるようになってきた。
<紙上提言1>
「学校歯科医」と「学校・地域」との連携の重要性
北九州市立赤崎小学校 学校歯科医 田中博
「食育」に焦点が当たっている現状から見ると、染め出し液を使ったブラッシング指導や健康診断結果を基にした歯科衛生講話等の指導方法は、色あせて見えるが、子どもにとっての体験としては決して古臭いものではなく、新たな気づきを与えるよい体験のひとつであると考える。
また、地域との連携という観点に立った場合、学校歯科医である我々開業医は、地区の歯科医師会を通じて学校保健会活動の中で教育現場の実情を理解しつつ、より良き助言者であることを望み、協力者であることに誇りを持ちたいと願っている。
学校や地域の教育活動を市民の力で解決するという視点のもと、学校が抱える課題解決には、教職員の意欲、情熱、指導力等の発揮が必要とされているが、そのための突破口はいわゆる「校長力」に尽きるのではないかと考える。
第3分科会心の健康
「心の健康課題を克服することのできる支援のあり方や環境づくり」
第4分科会地域保健
「学校・家庭・地域社会の連携協力による組織的、総合的な学校保健の取り組みの推進」
<口頭提言1>
歯・口の健康つくりをめざした予防歯科の取り組み―堺歯科衛生士専門学校との連携―
堺市立大仙小学校 養護教諭 阿部恵美子
実際に取り組んでみて、ゲストティーチャーが学校へ来て保健指導することは大変意味のあることだと感じた。なぜなら子どもたちは、「私たちのために衛生士さんが学校にきてくれた。」と大喜びで、歯の専門家に勉強を教えてもらうということで、授業を受ける意識が高まった。そして新しい知識を得て、実際に歯みがき指導を個別に近い形で行ってもらい、歯の健康への意識が格段に高まったからである。
学校保健と地域保健の連携は早くから必要性が求められてきていた。健康は生涯を通して守るもので、一貫した健康づくりを行う必要がある。学校が地域の保健活動に参加したり、反対に地域や他の健康づくりを行っている機関が学校へきて保健活動をすることは、保健分野全体の活動が活性化され非常に重要なことだと考える。
歯みがきは毎日の習慣であり、そのため今回のような1回の保健指導だけでなく、機会あるごとに指導を行い、子どもたらが振り返る場面を持てるように支援することが必要だと感じた。それには学校だけではなく、学校歯科医や歯科衛生士等の専門職や保健センター等の関係機関が関わっていくことで、児童の健康活動をより活性化できると感じた。
<紙上提言1>
学校・家庭・地域が一体となった保健教育を目指して
さいたま市立常盤小学校 教諭 宮出貴正
本校では学校保健委員会を「太陽の子フォーラム」と称し、毎学期1回実施している。全家庭に参加を呼びかけるとともに、教職員の研修日に位置付けることにより、全職員が参加している。そのため、職員の健康教育に関する意識は高い。この「太陽の子フォーラム」は、教職員の保健教育部が立案、司会、準備等を担当し、PTA健康委員会が企画、運営に当たっている。内容は、児童の健康をテーマにした話し合い及び、学校医、学校歯科医、学校薬剤師等による講話を行っている。実施後は、PTA健康委員会が報告として、全家庭に広報誌を発行、配布している。
歯の衛生週間に実施する「よい歯の児童集会」には、学校歯科医、歯科衛生士を迎え、講話とブラッシング指導を行う。TTによる学級活動や、歯科衛生士会の協力を得て「RDテストと歯の指導」も行っている。
これまでの取り組みで児童の健康に対する意識は高まってきている。今後も学校内での児童への保健指導の工夫を重ねていくとともに、家庭とも協力して情報を共有し、学校医等地域の人材を活用しながら、三者が一体となった保健教育を推進していく。
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第59回指定都市学校保健協議会<口頭提言1>
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
むし歯研究所シリーズ&和・歯・8020ワールド
札幌市立定山渓小学校・中学校 学校歯科医 平山泰志
1.はじめに
まず初めに定山渓小学校のプロフィールの紹介です。
本校は、「支笏洞爺国立公園」内に位置し、札幌市の奥座敷と呼ばれる定山渓温泉街にある。
全校児童31名の小規模校で、平成17年度、開校100周年を迎えた歴史ある学校である。
小規模校の特色を生かし、我々が「小鳥グループ」と名づけた縦割りグループに分け、多くの場面で異学年とかかわりながら様々な活動を行っている。学年の枠を超えた取り組みを通して、自主性、社会性、思いやりや感謝の心などをはぐくむことをねらいとしている。
小鳥グループ単位での活動は、農園活動、遠足、運動会、宿泊学習、地域クリーン作戦、雪中運動会、全校給食、そして「むし歯研究所」である。
2.初めの3年間の歩みと成果と課題
平成12年度から17年度までの6年間、北海道歯科医師会の指定校を2期、平成13年度から2年間は文部科学省の委嘱を受け「歯・口の健康つくり学習」を進めてきた。
平成12年度は、児童や保護者へのアンケートを実施し、実態把握を行い次年度へ向けての準備を行った。
平成13年度―「こちらむし歯研究所」
全校縦割り学習として、1年生から6年生まで縦割りグループを利用し、グループの課題に向け、一人一人がむし歯博士となり、研究を深めていくという問題解決学習に取り組む。
平成14年度―「とびだせ.. むし歯研究所」
10月には3年間の集大成として、教育実践発表会を開催し多くのご示唆をいただいた。
11月には、グループで研究したことを学習発表会という場で多くの人に伝えていく活動を行う。
その成果として、
○縦割りグループで、安心して学び合えるよりよい人間関係が築かれている。
○学校歯科医との連携が密になる。
また、課題として
○低学年と高学年が、共通な課題をもつには無理があるのではないか。
○子供たちが生き生きと伝えられるように、学習発表会以外に発表する場を考えていく方がよいのではないか。
などが、挙げられた。
3.進化していく「むし歯研究所」
平成15年度―「広めよう.. むし歯研究所」
「歯・口の健康つくりは、中学校と合同で9年間行うことでより教育的効果が期待できる」という私からの要望と、地域的にも可能であることからこの年から小中合同の活動が実現した。
それまで1年生から6年生までの縦割りを、低学年と高学年のグループに分け、発達段階にあった問題解決学習に取り組む。調べたことを「和・歯・8020(わ・は・は)ワールド」で、中学生とともに地域・保育所・保護者へ発信していった。
「和・歯・8020(わ・は・は)ワールド」
和=地域・保護者・小学生・中学生が和になって
歯=歯を通して学び合い
8020=80歳の時に自分の歯が20本残るように
平成16年度―「ふかめよう!むし歯研究所」
「和・歯・8020ワールドパート1」では、札幌歯科医師会館に出向き、学校歯科関係者に対して研究したことを様々な方法で伝える。その反省を生かして「和・歯・8020ワールドパート2」では、中学生とともに地域・保護者・保育所に発信していった。
平成17年度―「もっとふかめよう!むし歯研究所」
「和・歯・8020ワールドパート1」では、開講百周年記念教育実践発表会において、教育関係者や地域・保護者に対して研究したことを様々な方法で生き生きと伝えることができた。
そこで得たノウハウを生かして「和・歯・8020ワールドパート2」では、中学生とともに地域・保護者・保育所に発信していった。
4.伝えることが一番楽しい
平成14年度「とびだせ!むし歯研究所」では、研究したことを学習発表会という場で伝えた。
前年度は、研究したことをグループ同士で見合うだけだったので、広く伝える方法の第一歩とした。しかし、ステージからの発表は、一方的で何か物足りなさを感じていた。
「和・歯・8020ワールド」では、ワークショップ方式でお客さんの反応を直に確かめながら伝えることができた。「よく調べたね」「おもしろかったよ」そんな言葉を励みに、達成感を味わえたり、次の活動意欲につなげたりすることができた。子供たちは「和・歯・8020ワールド」で伝える楽しさを十分味わった。
平成16年度「和・歯・8020ワールド」の取り組みは成功したが、秋の歯科健康診断の結果は散々であった。春と比べると、永久歯のむし歯が増えたり、歯肉の状態が悪かったり、明らかに歯磨きを怠る子が増えていた。学んだことが日常化されず、かえって悪い結果となってしまったのである。それは、歯の問題だけでなく、基本的生活習慣の乱れが大きな原因になっていることが分かった。「歯の汚れは、生活の乱れから」あらゆる機会を通して家庭と地域と学校が一体となって、子供たちを見守っていかなければならないと痛感した。
5.日常化と場に応じたコミュニケーション能力の課題
「和・歯・8020ワールド」を終えての最大の課題は、子供たちに、〝場に応じたコミュニケーション能力" が不足していることである。 シナリオ通りなら発表できるが、相手合わせ、場に応じた対応ができずに、突然の質問にとまどい教師の支援を求める姿が見られていた。日頃からのコミュニケーション能力を育成する取り組みが必要であると考えさせられた。
6.日常化につなげる取り組み
前年度までの課題である「日常の実践化」、つまり歯磨き習慣の定着を図るために、平成17年度から、年4回(6月・9月・12月・3月)の「歯みがき大賞」の表彰を設け、年間を通して歯磨きの日常化を促す計画をした。年4回、学校歯科医や養護教諭が一人一人のブラッシング状況をチェックし、全員が「歯みがき大賞」を受賞できるよう、歯の磨き方を教示したり、水飲み場に歯の磨き方を提示したり、歯みがきタイムに子供たちの好きな音楽を放送したり、家庭に協力依頼したりして、学校と家庭が一体となって、継続的な意欲付けを行っていくことにした。6月には10名、9月には9名、12月には25名、そして3月には全員が「歯みがき大賞」を受賞できた。ある一人の子供が春の健康診断にてCO がたくさんあったが秋の健康診断ではゼロになった。
その子は「歯みがき大大賞」を受賞した。
全ての子供たちの意識は確実に変容してきている。
7.気付き考え行動する子
子供たちの様子が変わってきているのは、本校の重点目標である「気付き考え行動する子」の実現に向けて、歯・口の健康つくりだけでなく、学校教育活動全体を通して、常に育てたい力を明確にし、きめ細かくかかわり評価する、指導と評価の一体化を図りながら、子供たちを育ててきた成果と言える。
6年前、気付くことができなかった子供たち、その後気付いても考えることができずにいた子供たち。そして気付いて考えたとしてもなかなか行動することのできない子供たちがいた。全教職員が共通の見解をもちながら日常的に子供たちの指導にあたっていくうち に、少しずつ子供たち自身が変容していったのである。
8.おわりに
昨今、学力低下が叫ばれ薬物乱用、性問題など児童生徒たちを取り巻く環境は悪化の一途をたどる中「歯・口の健康つくり」の題材は児童生徒たちに自分自身を見つめ直し「生きる力」をはぐくむために有効な一つの手段と考えられ、問題解決学習を自分自身の体験として経験できる。さらに、むし歯の発生実験(酸脱化)・口腔内のpH調べ・唾液の分泌量調べなどは理科の実験で利用でき、むし歯予防の図画・ポスターの作成は図工・美術で、調べたことを発表するためのプレゼンテーションの作成はコンピューターの授業で応用でき、地域の人たちの口の中の状態や年齢分布の調べは社会科と密接に関係している。 「歯・口の健康つくり」の題材でここまで広げることが可能で、その中で児童生徒たちは「学び方」を学んでいく。極論かもしれないが「学び方」を学ぶことによって学力低下さえも阻止できるのではないかと推測できる。
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第59回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
標記協議会が平成20年5月17日.午後2時より広島市で開催されました。来賓挨拶等の後、二つの分科会に分かれて協議が行われました。
主題:「心身ともに健全な子どもたちを育む学校歯科保健の新たなる展開」
第一分科会:「変革期に来た学校歯科保健について」
第二分科会:「食育も含めた歯および口腔に関する新たな健康課題について」
その後、全体会議が行われ、本協議会から日本学校歯科医会に提言を行うことを確認して終了いたしました。
後日、主催の広島歯科医師会から日学歯に対し、「要望書」が提出されました。以下、要望書の要旨です。
1.本協議会は、指定都市で構成された学校歯科保健現場に直接かかわる組織でありながら、これまで本協議会の成果は、貴会において充分に反映されているとは言い難い。今後は本協議会からの意見・要望を充分斟酌し、しかるべき対応ができる連携の構築を検討されたい。
2.学校歯科保健活動の推進には法的環境の整備が望まれる。教育基本法・学校教育法はもとより、学習指導要領や健康増進法、とりわけ学校保健法・食育基本法・学校給食法および各法施行令など、学校歯科保健関係各法の充実と完全実施に向けて、関係各機関への働きかけを要請する。
参加各都市からの意見
①日本学校歯科医会と指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会(以下、本協議会)との関係について
・本協議会で集積されたデータと協議の成果は、日本学校歯科医会との緊密な連携のもとに、学校歯科保健活動の今後更なる充実発展のために生かすべきである。
②情報の提供と共有について
・日本学校歯科医会の方針が、これまで各地方の加盟団体・都市に充分に伝わっていなかった。日本学校歯科医会は、会員のみでなく学校現場、とりわけ学校歯科保健関係者への情報発信の充実を図ってほしい。
③日本学校歯科医会が検討している認定医制度について
・学校歯科医の資質の向上のために、日本学校歯科医会が研修やガイドラインを課すことはやぶさかではないが、認定制度については慎重に検討して欲しい。地方の時代となった今、各都市それぞれの環境があるので、学校歯科医の資質向上の実践は地方に委ねてほしい。
④食育について
・栄養教諭の配置や給食時間の問題など、学校現場における諸課題についての法的整備は、日本学校歯科医会からも積極的に働きかけてほしい。
・学校現場からの意見をもっと取り上げていただき、食育の推進に反映してほしい。
・食育の推進においては、その方向性を明確にし、質の高いエビデンスをもとに情報提供の充実を図る必要がある。
・日本学校歯科医会が提唱している食育の定義・ガイドラインに基づいた、啓発やアクションプラン、ツールなどを示してほしい。
⑤学校現場からの要望
・家庭への働きかけや啓発のために、最新の医学的・科学的な情報がほしい。
・児童生徒・保護者・教職員への視聴覚に訴える教材がほしい。
⑥その他
・「よくかむこと」と「心の健康」との関連について、エビデンスが得られる調査研究を実施し、データの集積に努力してほしい。
・歯科健康診断票に、「ネグレクトヘの気付き」の項目を入れてほしい。
・フッ化物の応用に対して、日本学校歯科医会はもっと積極的に取り組んでほしい。
・12歳児だけではなく、15歳児のDMF指数を調査してみてはどうか。
その他の提言
歯科疾患に関する現行の学校病はう歯のみであり、歯肉炎は対象外である。是非とも歯肉炎を学校病として認定すべくご尽力を賜りたい。
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