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フッ化物洗口に対する札幌歯科医師会の見解

  • 2011/04/13 水
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 平成21年6月、「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」が公布されました。
 この条例は、道民の生涯を通じた歯・口腔の健康づくりに関する施策を総合的かつ効果的に推進し、それにより道民の健康の増進に寄与することを目的としています。 特に画期的なことは、第11条に「道は、幼児、児童及び生徒に係る歯・口腔の健康づくりの推進を図るため、学校等におけるフッ化物洗口の普及その他の効果的な歯科保健対策の推進に必要な措置を講ずるものとする。」と明記されていることです。
 都道府県別12歳児の永久歯の一人当たり平均むし歯本数(全国平均1.29本)がワースト2に位置する北海道(2.3本)ですが、この条例の制定により、道内の子供のむし歯を減らそうという歯科医師会の長年の夢が現実となるのもそう遠くはないはずです。
 学校は、教育を通して健康な生活に必要な資質や能力を育てる場です。ですから、学校でのむし歯予防の目的は、むし歯の原因や予防の仕方の学習を通して子どもの意識や行動を変え、健康に良い生活習慣の形成を図りながら、生涯にわたって健康な生活を送る基礎を培うことにあります。
 新潟県内における12歳児の一人当たり平均むし歯本数は全国で最も少ない値となっています。その主たる理由は学校内での「フッ化物洗口」であり、その有益性は医学的にも学校歯科事業としても認められるところです。さらに京都市では平成17年度より全ての市立小学校、特別支援学校において約8万人の子供たちが「フッ化物洗口」を行っており、今後は他市町村においても全国的に「フッ化物洗口」事業が展開されようとしております。
 現在、北海道においては、保健福祉部と教育庁による「フッ化物洗口」の推進重点地域・推進指定校の指定が開始され、平成24年度のうちに道内全市町村での「フッ化物洗口」事業の実施を目指しています。全国ワースト1にもなりかねない北海道の子供たちのお口の環境を改善するために速やかな実施が望まれます。
 学校内での「フッ化物洗口」実施に向けては、様々な立場の方の協力と理解が不可欠です。フッ素は、世界保健機関(WHO)、国際歯科連盟(FDI)などの世界的に権威のある専門機関や厚生労働省、日本歯科医師会が推奨しているように、適量、適正な使用法を守れば、むし歯予防に安全で効果的に利用することができます。
 札幌歯科医師会は、専門医の立場で「フッ化物洗口」に対する正しい情報や知識を市民の皆様へお伝えするのが使命と捉え、今後とも明日を担う子供たちのお口の健康を守るために邁進してまいります。

  平成23年4月
                   社団法人札幌歯科医師会
                    会長 藤田 一雄

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